大学院における物理工学


大学院工学府、物理情報工学専攻は理工学府、数物・電子情報系理工学専攻に改組され、平成30年4月から
物理工学コースは物理工学教育分野となり、物理工学PSDプログラムを担当します。

科学技術イノベーションに役立つ学問分野


物理工学とは、文字通り物理学と工学とを結びつける学問分野であり、物理工学PSDプログラムでは現代物理学を中心とし数学・化学などの境界領域を包含する先端学術研究分野の基礎から応用までの幅広い教育・研究を行っています。

第五期科学技術基本計画では、科学技術イノベーションを推進するにあたり、先を見通し戦略的に手を打っていく力(先見性と戦略性)と、どのような変化にも的確に対応していく力(多様性と柔軟性)の重要性が指摘されています。 現代科学技術は、半導体や磁性体、超伝導、液晶、プラズマ、放射線などの技術に支えられていますが、これらすべては発展当時に革新的であり、それらすべてが物理学あるいは物理化学の発見から生まれ育ったものです。 このことからも分かるように、次世代的な革新的な科学技術を創出するには、現代物理学およびその周辺分野の基礎をマスターし、それを応用する幅広い能力を柔軟に、そして創造的に発揮することが求められています。

これまで実績のある本学工学府で培われてきた工学的素養(センス)を伸長する教育に、基礎物理学分野における理学的基礎教育を充実させ理学的素養(センス)を持つ技術者・技術者を育成するため、平成30年度に理工学府に改組され、 理工学部で理学的志向の強い物理工学教育プログラムの学生の進路として相応しい「理学の学位」を取得できるPSDプログラムが新設されます。

物理工学PSDプログラムとは


物理工学PSD(Professional Science Degree)プログラムとは、大学院修了者にふさわしい理学的基礎科学の知識を有し、自然科学における真理の探究を進めるとともに、10年~20年先の技術革新を見据えたサイエンス型産業に貢献できる深い基礎科学の知識を基本としながらも、工学的価値観・社会科学的価値観を併せ持ち、グローバルに活動できる十分な語学力などの能力を有する人材育成を目的とする学位プログラムです。

新しいパラダイムシフトやイノベーションの創出と実現のために、様々な幅広い学問分野に及ぶ総合的・学際的教育の実現が求められているなか、理学(科学)の分野を学ぶ学生に対して、企業で必要な様々なスキルのトレーニングを組み込みむことで、サイエンス型産業育成に資するとともに、Professionを強く意識した人材育成を行うことを可能にする教育プログラムです。

物理工学PSDプログラムにおいて、数理科学、現代物理学、先端物理学に関する専門知識と技術を培うための教育を実施するとともに、工学系・実務系(プロフェッション)科目の修得によりプレゼンテーション・コミュニケーション・ディスカッション能力に関する素養を育てます。 物理工学PSDプログラムは、これらの能力を自らの物理専門分野に発展的に応用するととも、積極的な活用できる能力を伸長し、適用できる人材を輩出するための教育体系となっています。

物理工学PSDプログラムにおいても、現代の科学技術水準に相応しい課題探求とその解決に向けた合理的な研究活動の成果を学位論文としてまとめることが義務付けられます。

重要なお知らせ

  • 他大学、他学部、他学科を卒業された方でも、現代物理学の基礎を修得していれば、物理工学PSDプログラムの教育に十分対応することができます。
  • 博士課程後期に進学する社会人の方には、多くの講義科目を夜間や土日開講にするなど、社会人研究者・技術者の勤務形態に配慮しています。また、企業等での実践的研究も、内容によっては、博士論文研究として認められます。ご相談ください。
  • 業績が優れている場合には、標準修業年限(前期課程2年・後期課程3年)を短縮して修了できる制度があります。【注】博士課程前期の短縮は、後期課程への進学が前提です。