大学院における人材育成


どのような人材を育成するか


開発技術に必要な、科学的な思考、柔軟性、創造性

わが国の工業製品は、他国の追従を許さない品質の製品を大量に効率よく生産する優れた技術に支えられています。しかし、日本が今後とも工業を中心とした社会を維持・発展させていくには、新しい科学技術を創出し、日本の高度な応用技術や製造技術と結び付けて産業化していくことが必要です。このような新しい科学技術の創出には、常に基本原理にさかのぼって考える科学的な思考法や既成概念に捕われない柔軟性や豊かな創造性が求められます。

物理工学PSDプログラムでは様々な先端物質材料や未知の状態・機能に関する実験研究およびシミュレーション研究の指導を通して、20世紀以降に発展した現代物理学をより深く理解し、研究を独力で進める力を養うとともに、講義科目によって各最先端分野の問題について広範で現実的な視点を得ることができます。これらの教育によって、学際的、融合的学問分野やこれに基づく科学技術を生み出すために必要な能力の開発をめざしています。

物理工学PSDプログラムでは、大きな変革期にある現代における科学技術の革新的発展に寄与するために、物理的な基礎に立脚した学術研究を行うことで、高い工学的素養(センス)を有する理学系技術者・研究者の輩出を目指しています。

学際的、国際的に活躍できる人材の育成

物理工学PSDプログラムは、このような社会的要請の実現のため平成30年度に設置される新しい大学院の教育プログラムです。電子材料物性、量子情報、量子計測、シミュレーション、ナノ科学、超伝導、磁性、宇宙・素粒子などの広範な物理学に関する高度な先進的研究の指導を通して現代物理学を身につけるとともに、学問の総合化・学際化に対応できる広い視野を養い、電気電子、材料、コンピュータ応用、IoTなどをはじめとする広範な工学分野での画期的な技術革新に挑戦でき、国際的にも活躍できる人材の育成をめざしています。

物理工学PSDプログラムでは、理工学部、数物・電子情報系学科、物理工学EPからの長期一貫的教育を通して、サイエンス型産業育成に資する人材育成、Professionを強く意識した人材育成を行います。

人材育成の目標


博士課程前期

物理工学PSDプログラムで提供する幅広い分野での教育・研究を通じて、主体的に課題を探求し、総合的かつ柔軟に問題を解決できる問題解決型の実践的な技術者、研究者としてグローバルに活躍のできる創造的な人材の育成をめざしています。 また、以下に示す知識と能力を備えたグローバルに活躍のできる創造的な人材の育成を目標としています。

  • 物理工学に関する高い専門的知識
  • 着実な研究実施能力・問題解決能力
  • 論路的思考力
  • プレゼンテーション・コミュニケーション・ディスカッション能力
  • 他者・他分野との連携能力

博士課程後期

博士課程前期までに培った知識・能力を世界トップレベルの研究活動を通じて深化させ、 物理工学分野における新たな学問分野と産業分野の創出、発展を担い、激変する知識基盤社会・高度情報化社会の諸問題を創造的に解決できる研究者・技術者のリーダー的人材の育成をめざしています。 また、以下に示す知識と能力を備えたグローバルに活躍のできる創造的なリーダー人材の育成を目標としています。

  • 物理工学に関するより高度な専門的知識
  • 堅実な研究実施能力・問題解決能力・研究企画推進能力
  • 深い論路的思考力
  • 明快なプレゼンテーション・コミュニケーション・ディスカッション能力
  • 他者・他分野との高い連携能力
  • 精密な課題発見・解決能力